縄酔いの宴

妄想エロコント②

個室居酒屋にて。

会社の上司と部下OL。

 

 

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「こんなに拘束時間が長い仕事ははじめてで…」

 

「悪かったね。締め切りに縛られる仕事は辛いよな。

明日久々の休みだから、たくさん飲みなさい。タクシーで送るから、終電までという時間の縛りはないよ。」

 

「やっと解放された!ビール美味しいですね。」

 

「俺も解放されたいな。普段は会社に拘束され、妻に拘束され、家庭に拘束されてるからね。

週末は子供たちを連れて、車で妻の実家まで行くんだ。長距離運転だよ。

運転席にシートベルトで拘束されるんだ。

よき社会人でよき夫で、よき父という立場にも。

その次の休みには、 

町内会の役員業務に、長時間拘束されるんだ。

君は独身だから、会社以外に拘束されないだろう?

束縛してくる彼氏はいるの?」

 

「いいえ…

いません。もてませんから。」

 

「自由でいいじゃないか。」

 

「寂しいですよ。

ぎゅっと抱きしめて…

拘束してくれる人が欲しいですよ。」

 

 

「そうか。君は拘束されたいんだね。」

 

「課長は自由になりたいの?」

 

「俺も寂しがりやだから、結局何かに縛られてないと、どうしていいか分からなくなるだろうな。

自由にしていいって言われたって、どうやって生きればいいか途方に暮れてしまうだろうから。」

 

「縛られるの好きなんですね。」

 

「うちの奥さん、ヤキモチ焼きだからね。」

 

「なんだ、ただの、のろけじゃないですか。愛妻家なんですね。ちょっと嫉妬…」

 

「うちの奥さんは、縛るのも縛られるのも好きなんだ。」

 

「何か変な言い方!

さっきから拘束だの、縛るだの、縛られるだの…」

 

「身体を拘束されたことはないの?」

 

「え?そんな…手錠とかですか?」

 

「例えば…縄、とか。」

 

「縄?

亀甲縛りとかの、ヤツですか?

まさか。そんな機会ありませんよ。」

 

「目が一瞬潤んだね。マゾっぽいな。

もしや興味があるの?」

 

「そんな…恥ずかしいです。

だって、何をされるか分からないじゃないですか。身動きとれなくなっちゃうんでしょう?」

 

「拘束されたいと言ったじゃないか。」

 

「それは、気持ちの問題です。」

 

「じゃあ、君は心を縛られるのは嬉しいんだね。

どうして身体はダメなんだ?」

 

「だって…」

 

 おもむろにネクタイを外す課長。

 

「ネクタイは男の拘束具だよ。俺は今解放されたんだ。今の俺は、君が普段会社で接してる俺じゃない。

もう一つの…人格があるんだよ。

この拘束具で、まずは君の手首を縛らせてくれないか。

その華奢で折れそうな…」

 

「ええ?そんな…いや…!」

 

「あれ?

これは…

この手首の跡は…

 

 

縄跡じゃないか!!

 

 

君もそうだったのか!」

 

 

 

 

 

「私は知ってましたよ、課長。

だって課長のスーツに、たまに麻縄のケバがついてるから…」

 

 

 

 

 

 

 

和泉那奈